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『カムパネルラの塔』3巻レビュー|共闘と共依存の境界で揺れるゴシック百合

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⚠️ この記事は『作品名』のネタバレを含みます。

はじめに

2巻のラストで「来週の会見では革命を起こす」と宣言したメイコの言葉が、ずっと頭に引っかかっていました。いったい何をするのか——。3巻を読み始めてすぐ、その答えが明かされて、思わず「そう来たか」と声が出てしまいました。

この作品、本当に毎巻ちゃんと揺さぶってくれる。今巻もまた、ふたりの関係が大きく動いた一冊でした。そして読み終えたあと、胸の中に残ったのは高揚感だけじゃなくて、どこか不安にも似た感覚。それが正直な気持ちです。

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作品の基本情報

  • タイトル:カムパネルラの塔
  • 巻数:3巻(続刊)
  • ジャンル:百合・ファッション・ゴシック

🔗『カムパネルラの塔』3巻の詳しい情報はこちら

こんな人におすすめ:

  • ゴシック・耽美な雰囲気の百合が好き
  • ライバル関係の先にある複雑な感情を描いた物語が読みたい
  • 「命」と「美」が絡み合う重厚な百合作品を探している
  • ファッション・モデル業界を舞台にした作品に興味がある

あらすじ

アルスの成長を目の当たりにし、追い抜かれることへの焦りを感じ始めたメイコは、記者会見で自ら「がん」であることを公表する。その衝撃的な告白は世間の注目を集め、「アイビーデイズ」の撮影へと繋がっていく。

だが撮影が進むにつれて、メイコは演じる役と自分自身の境界が溶けていくような感覚を覚え始める。命を燃やして人々の記憶に永遠に残ろうとするメイコ。その姿を見続けたアルスは、自分の中に眠っていたある感情の正体を知ることになる。

詳細はぜひ本編で確かめてほしいのですが——この3巻、静かに、確かに、怖い方向へ動いています。

「革命」の正体と、メイコの覚悟

メイコが選んだ「革命」とは、自らの病を世間に向けて公表すること。

ある程度予想はしていたけれど、それでも実際に読んだとき、じわりと重さが来ました。これはただの戦略じゃない。アルスに追い抜かれることへの焦りから動いたとも読めるけれど、同時にそれ以上のもの——自分が生きた証を、何としてでも残したいという切迫感が滲み出ていて。

メイコは命と引き換えに、人々の記憶に永遠に刻まれる道を選んだんだと思います。それが彼女なりの生き方であり、戦い方。かっこいいとも思うし、それと同じくらい、悲しいとも思う。

アルスが気づいた感情——「必要とされたい」という願望

今巻で一番、私の心に引っかかったのはアルスの変化でした。

命を燃やすメイコを見続けることで、アルスの中に芽生えてきた感情——「メイコにもっと必要とされたい」。

正直、最初はうまく理解できなくて。でも少し考えてみると、腑に落ちるものがあった。アルスはこれまで、母親から愛されることなく育ってきた。だれかに強く求められることへの渇望が、ずっと心の深いところにあったんだと思う。だからこそ、自分を燃やして歩みを止めないメイコに「必要とされたい」と感じるのは、アルスにとってはとても自然な感情なのかもしれない。

百合っぽいな、と思いながら読みました。ふたりの間にある感情が、ライバル心とは少し違う、もっと個人的で切実なものに変わってきている気がして。

ライバルから「共闘者」へ——でも、その関係の危うさ

1巻では、アルスがメイコを一方的にライバル視していた。2巻で、ふたりは互いの宣戦布告を経て「対等なライバル」になった。そして3巻では——ライバルでありながら共闘者へと、関係がまたひとつ変わった。

往年の少年マンガによくある「好敵手(ライバル)と書いて友と読む」みたいな、切磋琢磨しながらともに頂点を目指すという美しい関係。それは確かで、読んでいて胸が熱くなる部分もある。

でも同時に、この関係にある種の危うさを感じてしまっているんです。

アルスはメイコに引きずられて、感情のコントロールを失いかけているシーンがある。そしてふたりが撮影しているドラマが、ふたりの少女が心中する話だという設定。それがアルスとメイコの物語に、不穏な影を落としている。

共闘と共依存は、紙一重なんじゃないか——そんなことを考えながら読んでいました。ふたりの行く末が、尊く輝かしいものであってほしいと願いつつ、どこかで目が離せない緊張感がある。それがこの作品の、恐ろしいほどの引力だと思います。

ゴシックな空気と「死」の影、3巻でさらに深く

1巻から一貫して漂うゴシックな作画の雰囲気は、今巻でもまったくぶれない。

むしろ「アイビーデイズ」の撮影が進む中で、役と現実が重なっていくメイコの描写はいっそう耽美的で、ページをめくるたびに「この人は本当に大丈夫なのか」という緊張感が高まる。美しさと危うさが同居しているこの感じ、やっぱりこの作品にしかないものだと思います。

おわりに

『カムパネルラの塔』3巻、今巻もたっぷりと揺さぶられました。

メイコが命をかけて選んだ道と、アルスが自分の中に見つけた感情。ふたりがライバルから共闘者へと歩みを進める一方で、そこに漂い始めた共依存の影と、ドラマの「心中」という不穏な伏線。

続きが、怖い意味でも、楽しみな意味でも、とても気になります。

4巻がどこへ向かうのか、不安と期待を抱えながら続きを待ちたいと思います。読んだことのある方は、ぜひ感想を聞かせてほしいです📚

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