⚠️ この記事はネタバレを含みます。
はじめに
タイトルを見たとき、「これは…どういう作品なんだろう?」って思った方、多いんじゃないでしょうか。私もそうでした。「クラスメイトを買う」なんて、なかなかインパクトのある言葉ですよね。エロい系かな?って想像した方もいるかもしれない(正直に言うと、私もちょっとそう思いました)。
でも実際に読んでみたら、全然違う。これは、ふたりの女の子が「五千円」という名の言い訳を手放せなくなる物語——そう感じました。
作品情報
・タイトル:週に一度クラスメイトを買う話 ~ふたりの時間、言い訳の五千円~
・作者:右腹
・原作:ライトノベル(コミカライズ版)
・既刊:1-2巻(続刊中)
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始まりは、ちょっとした親切から
物語の始まりは、ひとつのすれ違い。書店で財布を忘れてしまった仙台のかわりに、会計を肩代わりしてあげた宮城。お釣りはいらないと突き放す宮城に対し、仙台はしつこく食い下がります。
そこで宮城が放った一言。「じゃあ、五千円分働く?」
これ、この関係の始まりがすでにちょっとズレてるんですよね。対等じゃない。でもそのズレが、この作品の核心なんだと思います。
こうして始まった宮城と仙台の「週に一度、五千円で命令を聞く」という約束。最初の”仕事”はエロ漫画の音読だったんですけど(笑)、それ以降は宿題の代行やゲームの相手など、いろんな”命令”が続いていきます。
陰キャ×陽キャ、交わるはずのないふたり
まずこのふたりの関係性が、読んでいてとても面白い。
宮城は、スクールカースト底辺の陰キャ。学校では目立たず、仙台とは全く別の世界に生きています。一見クールで感情が読みにくいけれど、その行動の奥にちゃんと感情がある。
仙台は、スクールカースト上位の陽キャ。成績優秀で先生にも可愛がられる”完璧な生徒”。学校では笑顔で誰にでも好かれているけれど、その顔は”演じられたもの”でもある。
学校では絶対に交わらないはずのふたりが、密室の宮城の部屋で過ごす週一の時間。この設定だけで、もう続きが気になってしまいます🌸
宮城が「見たかったもの」
1巻を読んでいて、ずっと気になっていたことがありました。「なぜ宮城は、この奇妙な関係を続けているんだろう?」と。
宮城は仙台と友達になりたいわけでもなく、傷つけたいわけでもない。それでも半年以上この関係を続けている理由は——仙台の「学校では見せない顔」を見たかったから。
人にいい顔をし続けている仙台が、素のままでいられる場所。宮城の前では、仙台はちゃんと「人間」でいられる。そのことが、宮城にとって特別な意味を持ってくるんですよね。気づいたら、この感情は”好奇心”だけじゃなくなっていて……。
2巻で揺れる、宮城の内心
2巻に入って、物語はより複雑な方向へ動き出します。
宮城の行動がエスカレートするんです。仙台のネクタイを外して、シャツのボタンを取って、ポップコーンをまき散らして、頭からサイダーをかける——。読んでいて「え、どういうこと…?」と思ったんですが、これには宮城なりの理由がありました。
仙台を怒らせて、関係を終わりにしようとしていたんですね。
自分の中に芽生えてきた仙台への気持ちに気づいて、自らその芽を摘もうとした。その不器用な方法が、なんとも宮城らしくて胸が痛い……。
でも、仙台は「貸した服を返しに来た」という理由で宮城の家を訪ねてくる。結局また、ふたりは元の関係に戻っていく。
仙台が求めていたもの
2巻のラストで明かされる仙台の本音が、私にはとても刺さりました。
“誰にでも好かれる自分”を演じなくていい場所。家でもない、学校でもない、第三の場所。そして気を使わなくていい宮城という存在——仙台は、それを「必要としている」と心の中で呟くんです。
優等生として見られている仙台が、完璧な仮面の下でどれだけしんどい思いをしているか。宮城の部屋が、仙台にとっての「逃げ場所」になっていることが、このシーンで一気に腑に落ちました。
ふたりともこの関係に依存していて、でもそれを素直に言えない。歪なように見えて、その歪さの中にふたりの切実な気持ちが詰まっているんですよね。
ここがたまらない、この作品の魅力
関係性のじれったさ
お金という”言い訳”がある限り、ふたりは本音に向き合わなくて済む。でもその言い訳が少しずつ薄れていくのが、読んでいてもどかしくも尊い。
キャラクターの奥行き
一見わかりやすい「陰キャ×陽キャ」の図式に見えて、どちらのキャラクターも単純じゃない。宮城も仙台も、それぞれが抱えているものがある。
静かに積み上がる距離感
派手なドキドキではなく、じわじわと近づいていく感じ。それでいて決定的な一歩はまだ踏み出せていない、このもどかしい距離感がたまらないです。
こんな方におすすめです
- 複雑な関係性から少しずつ育まれる百合が好きな方
- 陰キャ×陽キャの組み合わせが好きな方
- キャラクターそれぞれの内面の掘り下げを楽しみたい方
- じれったい距離感がツボな方
おわりに
『週に一度クラスメイトを買う話』1-2巻、読み終えて真っ先に思ったのは、「この関係、これからどうなるんだろう」という期待と不安が入り混じった気持ちでした。
ふたりの間にある「五千円」という言い訳が、いつか必要なくなる日が来るのかどうか。宮城が自分の気持ちに正直になれる日が来るのか。仙台が「演じる自分」を脱ぎ捨てられるのか。
まだまだ謎も多いし、関係性の行方も全然見えない。でも、だからこそ続きが読みたくてたまらないんですよね。
原作のライトノベルも読んでみたいな、という気持ちになっています🌸 まだ読んでいない方は、ぜひ1-2巻まとめて読んでみてください!
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コメント
はじめまして
原作未読の方のコミックスの感想はとても新鮮で面白かったです
コミカライズは画力は素晴らしいですが更新頻度が低く3巻もいつ出るかわからないので、原作をお薦めします
続きが気になると思えるなら間違いなく楽しめますよ