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『拝啓、在りし日に咲く花たちへ』3巻レビュー|涙必至の山辺×ミアと、深まるかすみ×春世

レビュー

⚠️ この記事はネタバレを含みます。

はじめに

1・2巻を読んで以来、ずっと続きが気になっていた「ありさく」。3巻、読みました。

前巻(1・2巻)のレビューはこちら👇
『拝啓、在りし日に咲く花たちへ』1・2巻レビュー 手紙から始まる学園エス百合が尊すぎる

2巻のラストで「え、どういうこと!?」となったあのシーンの続きから始まる今巻。かすみと春世の関係性のさらなる深まりはもちろん、3巻では新しいキャラクターたちのエピソードが中心になっていて——これが、もう本当に良かったんです。涙が出るほど。

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前巻のあの衝撃、回収されます

2巻のラスト、瑞喜さんが沙頼さんに対してカッターを向けているシーンで終わっていましたよね。あれから続きが気になって気になって……という方も多いんじゃないでしょうか。

3巻の冒頭で、そのシーンの続きが描かれます。

これが、想像以上に重かった。「ゾッとした」という言葉がぴったりで、可愛らしい見た目の瑞喜さんの中にあんな面が眠っていたとは。そして沙頼さんの反応も含めて、2人の関係性の「歪さ」がはっきりと浮かび上がってきます。共依存——そういう言葉が頭に浮かびました。

かすみ×春世ちゃんの清らかな関係性と対比するように描かれているこの2人。同じ「エス」でも、こんなにも違う形があるんだなと。この作品の奥行きを感じるエピソードでした。

ただ、内容はホラー味が強め。苦手な方は少し覚悟して読んでみてください。

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ダブルデート、実現——そして、かすみの嫉妬が可愛すぎる

2巻で沙頼さんからかすみに提案があった「4人で会おう」。3巻でついに実現します。

ここで可愛いのが、かすみが春世ちゃんに内緒にしていたこと。理由は「驚かせたい」という気持ちと……沙頼さんたちのことに興味を持ってほしくない、という嫉妬心からだったというんですよ🥺

「手紙のやり取りから始まった子が、こんなにも独占欲が芽生えているなんて」と思うと、1巻からの成長(?)がじんわり嬉しくなります。この件でかすみと春世ちゃんの関係性が一歩深まったのも、読んでいてとても微笑ましかったです。

3巻のもう一つの核心——山辺とミアのエピソード

そして3巻、なんといっても語らずにはいられないのが中盤以降の山辺とミアのエピソードです。

山辺さんは、人当たりが良くて面倒見が良い「いい奴」の女性。高校時代に生徒会をやっていた彼女は、投書箱に入っていた拙い日本語の文字から、帰国子女で周りに馴染めずにいたミアちゃんにたどり着きます(探偵みたい、とちょっと笑ってしまいましたが)。

山辺さんはミアちゃんに正体を明かさず、「机のゆうれい」として匿名で文通を始め、彼女が学校に馴染めるよう陰ながら友達の橋渡しをしていました。名乗ることなく、ただ誰かの日常が豊かになることを願って動く——この「いい奴」気質が本当に好きです。

そんな2人のすれ違いと、奇跡のような再会の場面。ミアちゃんが芸能人としてデビューしたあと、お渡し会の場で起きるあの瞬間。詳しくは書きませんが、それまで積み上げてきた描写がここで一点に収束する感覚があって、読んでいて涙が止まりませんでした😭

麦わら帽子をふたりで分け合いながらひまわり畑を歩くシーン、目に焼き付いています。この作品でいちばん好きなエピソードかもしれない。

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「繋がり続けたい」と思う気持ち

3巻後半、かすみと春世ちゃんは学校の外でも会うようになります。そして沙頼さんと瑞喜さんの関係を目の当たりにしたことで、かすみは気づくんです——自分たちの関係性は、一時的なものじゃなくていい、ずっと続いていっていいんだと。

その気づきの描かれ方がとても自然で。大げさな告白や劇的な出来事があるわけじゃないのに、2人の関係がひとつ段階を上がったことがじんわりと伝わってくる。この作品が描く「距離の縮め方」、本当に丁寧だなと感じます。

新たな謎も浮上——物語はまだ続く

さらに3巻では、新たな事実も明かされます。

沙頼さんたちが「恋物語」に手紙を挟む前に、すでに別の誰かが手紙を挟んでいたというんです。つまり、沙頼さんたちも誰かの模倣犯だった。じゃあ、その最初の手紙を挟んだのは誰なのか?

その謎の鍵を握るのが山辺さんらしく——これは続きが気になりすぎる。かすみ×春世ちゃんの行方と合わせて、4巻以降の展開がますます楽しみになりました。

おわりに

1・2巻ではエス文化と手紙の関係性にときめき、3巻では複数のカップルの「愛の形」がここまで対比的に、かつそれぞれ丁寧に描かれていることに改めて感動しました。共依存の歪さも、すれ違いの切なさも、少しずつ近づいていく喜びも——全部が「愛の話」として一本の線でつながっている。

百合漫画を愛するすべての方に、本当に届いてほしい作品です🌸

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まだ読んでいない方は、ぜひ1巻から手に取ってみてください。

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