⚠️ この記事は『作品名』のネタバレを含みます。
はじめに
こんにちは、琳花です🌸
タイトルを見た瞬間から「これは絶対好きな匂いがする」と思っていた作品があって。百合ナビで新刊情報をチェックしていたとき、ひっそりと気になっていた『妄執女と芥川』、ついに読みました。
試し読みをしてみたら「あ、これは読まないといけない」という確信に変わって、一気に引き込まれてしまった。社会人百合、お仕事もの、そしてバディもの。私の好きな要素がぎゅっと詰まっている。それだけじゃなく、文学という世界を舞台にしたちょっと特殊な設定がまた、刺さるんですよね。
作品の基本情報
タイトル: 妄執女と芥川 1巻
ジャンル: 社会人百合 / お仕事もの / バディもの / シスターフッド
内容: 作家生活も社会生活も上手くいかない兼業作家・不破メイコが、新任の担当編集者・薬師丸萌子と出会い、とある理由から2人で芥川賞を目指すことになる、2つの”妄執”が文学界にもたらすものを描く作品。
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こんな人におすすめ
- 社会人百合・お仕事ものが好きな方
- バディもの・シスターフッドが刺さる方
- 「重い感情」が絡み合う関係性が好きな方
- 文学・創作の世界を舞台にした作品に興味がある方
- 小説を書いている・書いていた経験のある方
2人の「妄執」が物語を動かす
主人公の不破メイコは、作家としても社会人としても上手くいかない日々を送っている兼業作家。不憫でちょっと陰キャな雰囲気に描かれているんだけど、読んでいると「あ、この人、実は才能がある」ってじわじわ伝わってくるんです。処女作「ベラドンナ」が文芸賞(新人賞)を受賞しているという事実がそれを物語っていて。
そんなメイコが異様なほどに執着しているのが、「ユウ」と名乗る人物からの手紙。顔も本当の名前も知らない相手なのに、メイコにとっては自分の小説の最初の読者であり、最初の肯定者。そこに住んでいたアパートが火事で焼けてしまい、手紙も全焼してしまったことで生きる糧を失う、という冒頭のくだりが、もう……しんどいけどわかってしまう、というか。
顔も名前も知らないからこその執着、というのは、確かにあるんですよね。実像のない相手だからこそ、自分の中でどんどん大切な存在に育ってしまう。メイコの気持ち、そういう意味では不思議じゃない、と思いながら読んでいた。
そこに登場するのが、新任の担当編集者・薬師丸萌子。「ユウちゃんに会わせてあげる」という餌でメイコを釣り、2人で芥川賞を目指すことになる——というのがこの物語の幕開けです。
謎多き編集者・薬師丸萌子の正体
萌子、この人がまた……ひと筋縄でいかないキャラクターで。若いのにタワマンに住んでいたり、謎が多い。
読み始めた早い段階で「もしかして萌子がユウちゃん?」という予感がよぎっていたんですが、今巻の中盤でそれが事実として明かされます。メイコの元担当編集・窪塚に対して、萌子自身がユウちゃんであることをほのめかす形で。
ここで面白いと思ったのが、メイコの「ユウちゃんへの執着」と、萌子の「メイコへの執着」の質の違い。萌子の執着のほうが、読んでいて異様さをより強く感じるんですよね。なぜ萌子はここまでメイコに執着するのか。その理由はまだ明かされていないけど、だからこそ続きが気になって仕方がない。
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バディもの×シスターフッドとしての魅力
この作品、恋愛としての百合というより、2人が互いの「妄執」をぶつけ合いながらともに高みを目指すバディもの、シスターフッドとしての面白さがすごくあって。
執着、野望、才能への焦り、他者への依存——そういうちょっとダークで人間くさい感情が、2人の関係性を動かしている。綺麗な百合、というよりはひりひりするような関係性なんだけど、それがまた目が離せない理由になっている。
小説を書いている方や、書くことと向き合ったことがある方が読むと、また別の刺さり方があるんじゃないかなとも思って。メイコの創作観、特に「ユウちゃん1人のために書く」というスタイル、これって本当に特定の読者像を深掘りするN1マーケティングみたいで——小説を書くのにもそのアプローチが有効なのかも、なんて考えながら読んでいました。
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今後の展開が楽しみすぎる
今巻の終盤、メイコと萌子が暮らすタワマンに元担当の窪塚が押しかけてくるところで幕を閉じるんですが、これが……続きが読ませてくれる終わり方で🌸
メイコは現時点で、萌子がユウちゃんだとは微塵も気づいていない。それが明らかになったとき、2人の関係はどう変わるのか。窪塚という第三者の存在は、2人にとってプラスになるのかそれとも——。そして何より、メイコと萌子は本当に芥川賞を取れるのか。
気になることだらけで、2巻がとても待ち遠しい。
おわりに
読んでいて胸がひりひりするような緊張感がある、でもそれが癖になる一作。ぜひ試し読みから入ってみてほしいです📚
続巻が出たらまたレビューしますね。同じく気になっている方は、ぜひ一緒に2巻を楽しみに待ちましょう🌸

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