⚠️ この記事はネタバレを含みます。
はじめに
グルメ×百合ってもう最高の組み合わせじゃないですか。美味しいものを誰かと一緒に食べる幸せって、それだけで愛の表現になってる気がして。
グルメ×百合という最高の組み合わせについてもっと読みたい方は、こちらのレビューもおすすめです👇
舞ちゃんのお姉さん飼育ごはん。1〜6巻まとめレビュー!小学生×女子高生のあったかグルメ百合が尊すぎた
そんな期待を抱きながら手に取った作品が、今回紹介する『満腹百合』です。
宮部ミチさんの初コミックス作品で、2015年に刊行された1巻完結作品。初コミックスということを知ったのはあとがきを読んでからなんですが、それを踏まえて読み返すとまた違う感慨がありました。
二人のラブラブな日常、はじまりはじまり
主人公は同棲中の百合カップル、ののかとあや。
IT企業に勤めるののかは、ぽわーんとした可愛らしい外見とは裏腹に、度外れた大食いの持ち主。一方、駆け出しの小説家であるあやは、キリリと凛々しい見た目なのに料理上手で大の世話焼き。
この二人のギャップがまずもう、いいんですよ。
あやが丹精込めて作った焼肉、パンケーキ、白飯に合うおかず…ののかが「もぐもぐ」と幸せそうに食べる姿。それを嬉しそうに見ているあや。この微笑ましい食卓の風景が、物語の出発点です。
同棲カップルの温かな日常が魅力の作品はこちらもどうぞ👇
女ともだちと結婚してみた。全4巻レビュー!初巻から完結まで追ってみた
読み始めはまさに「ゆるっとした食と愛の日常もの」という印象で、日常の幸せをのんびり楽しめる作品だなあと思いながらページをめくっていました。
静かに揺れはじめる、あやの心
ところが、中盤あたりから、少しずつ雲行きが変わってきます。
きっかけは、ののかが同僚に誘われ合コンに参加することになったという話。ののかはノンケで、あやはビアン。二人は今こうして同棲しているけれど、ののかにとって「女性と付き合う」ということは当たり前のことではなかった。
あやの胸の中に、ぽつりと不安の種が落ちてきます。
「ののかが合コンで良い男性に出会ったら、自分の元を離れてしまうんじゃないか」
その不安は静かに、でも確実に大きくなっていく。公園で子どもを可愛そうに見ているののかの横顔に、胸をざわつかせてしまったり。楽しそうに結婚式から帰ってきたののかに、ついつい冷たい態度をとってしまったり。
このあたりのあやの心情描写、痛くてリアルで…。読みながら、「わかる、でも苦しいな」と思わずにいられませんでした。
禁断の枠を超えて揺れる心理描写が刺さる作品としては、こちらも胸が苦しくなります👇
人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話-1巻レビュー
一度崩れてしまった、その先に
そしてある日、ののかの部屋でブーケを見つけたことで、あやの中で何かが決壊してしまいます。あやは家を出ていく選択をする。
ののかが何も気づかなかったわけじゃないけど、もしかしたらあやにとっては「離れるほかなかった」タイミングだったのかもしれない。
ののかもまた、あやが居なくなってから落ち込んでいく。一人の食卓では、ご飯もうまく喉を通らない。「楽しかったのは自分だけだったのか」と自問しながら過ごす毎日。
この二人が、互いを想いながらすれ違ってしまう展開、じわじわと胸にきました。
ドアノブにかけられた料理という、ことば
私がこの作品で一番好きなシーンは、ここです。
あやが居なくなってしばらくしたある日、ののかは自宅のドアノブに料理がかけてあるのに気づきます。それが数日続いて、あやによるものだと確信したののかは、家で張って待つことに。
言葉では言えない気持ちを、料理にして届けにくるあや。
これ、尊くないですか…! 「どうしてもののかのそばを離れられない」という気持ちが、あやにとって一番自然な形で表れているように感じて。食べることが愛情表現だったこの作品において、こういう再会の仕方って最高だなと思いました🌸
最終的に二人は向き合って、お互いの気持ちをぶつけ合って、和解してエンディング。読後感はとても良かったです。
1巻完結でここまで描けるんだという収穫
グルメ百合として手に取ったのに、思いがけずカップルの危機と和解まで描かれていて、なかなか読み応えがある作品でした。
正直なところ、序盤は「ゆるい日常もの」と思って読んでいたので、中盤の展開には少し驚きました。でも結果的に、それがあったからこそ二人の関係の「深さ」が感じられたんじゃないかとも思っています。
一点、個人的に「もう少し欲しかったな」と感じたのは、ののかとあやの出会いのエピソード。ノンケのののかがビアンのあやとどうやって付き合うことになったのか、その馴れ初めが描かれていたら、二人の関係性がさらに沁みたかも、と思ったりしました。
また、2015年刊行ということもあって、女性同士のカップルの描かれ方に時代の空気を感じる部分も。2026年の今とは、社会的な背景もだいぶ変わってきていますから。それはそれで、この時代に生まれた作品ならではの読み味として受け取っています。
こんな人におすすめ
- グルメ×百合の組み合わせが好きな方
- 同棲カップルのリアルな日常と感情の揺れを楽しみたい方
- 1巻でしっかりまとまった百合作品を探している方
- 宮部ミチさんの作品が気になっている方
1巻完結なのでサクッと読めますし、読後感も良いのでおすすめです。グルメ百合の入口として、ぜひ手に取ってみてください📚

📚 購入・試し読みはこちら👇️
あわせて読みたい
また、食と距離感を描く百合として「くちべた食堂」もおすすめです。ゆっくり関係が進む様子が見どころです👇
くちべた食堂 (6) の感想
さらにグルメ×百合作品を幅広く探したい方は、こちらのまとめ記事が役立ちます👇
グルメ×百合マンガおすすめ10選


コメント