⚠️ この記事はネタバレを含みます。
はじめに
百合ナビで見かけて気になっていた作品を、ようやく読み終えました。
『まとう君、ほころぶ私』、全3巻。手に入れてからしばらく積読していたんですが、読み始めたら止まらなくて。気づいたら一気読みしていました。
社会人百合、着物、同い年の女性ふたり……そのキーワードだけで「好きな人には確実に刺さる」と思っていたんですが、予想以上にしっかりとした読み応えがある作品でした。
作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | まとう君、ほころぶ私 |
| 巻数 | 全3巻(完結) |
| ジャンル | 社会人百合 / 大人百合 |
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こんな人におすすめ
- 社会人百合・大人百合が好きな方
- 着物に興味がある方、着物が登場する作品が読みたい方
- 穏やかでほっこりする恋愛ものが好きな方
- 全3巻完結でサクッと読みたい方
どんな作品?
主人公は南條結衣、28歳。黒目がちな大きな瞳に低めの身長という見た目から、ずっと「かわいい」と言われ続けてきた女性です。
幼く見られることをコンプレックスに感じている結衣は、服もメイクも「少しでも大人っぽく見えるか」を基準に選んでいる。でも、なかなかうまくいかない。そんな日々を送っている彼女が、近所に新しくできた和食店で出会うのが、椎葉瑞穂。
着物を着て働く瑞穂は、背が高くて落ち着いた雰囲気で、見た目からしてまるで「憧れの大人の女性」そのもの。結衣が一方的に憧れを抱くのも無理はないなと思えて。
でも実は、瑞穂も28歳で同い年。しかも見た目と違って、ちょっと抜けていてマイペース。方向音痴で、休日は一人でお菓子を作ってのんびり過ごすタイプ、という。
この「外見と中身のギャップ」が、ふたりそれぞれに設定されているのが面白くて。結衣は見た目のせいで自分を出せず、瑞穂は大人っぽい外見の裏に意外な子供っぽさを隠している。その凸凹具合が、全3巻を通じて絶妙にかみ合っていくんです。
着物という”装置”が素敵
この作品の魅力のひとつは、着物が単なる背景設定じゃなく、物語の中核にあるということ。
結衣が着物に惹かれていくのは、瑞穂への憧れがきっかけではあるんですが、読み進めていくうちに「着物を通じて自分らしさを見つけていく」プロセスが描かれていることに気づきます。
大人っぽく見せようと選んできた服や振る舞いじゃなく、自分が「好き」と思えるものをまとうこと——着物はその象徴として機能していて。結衣の変化を見守りながら、じわじわと温かい気持ちになっていきました。
作画もとても丁寧で、着物の柄や着こなしが繊細に描かれています。着物好きの方にとっても見どころが多い作品だと思います。
ふたりの関係性と、2巻の波乱
1巻は、ふたりが少しずつ距離を縮めていく穏やかな展開。ほっこりした読み心地で「いい出会いだなあ」と感じさせてくれる巻です。
転機が訪れるのが2巻。徐々に仲を深めていたはずのふたりに、突然の暗雲が立ち込めます。
結衣が自分の気持ちに気づき始めたころ、瑞穂が一方的に距離を置き始めるんです。読んでいてちょっと意外でした。あの落ち着いた大人っぽい雰囲気の瑞穂が、こんなに感情的になるのか、と。
でもよく考えると、1巻で瑞穂自身が「意外に子供っぽい」と言っていたし、結衣が新しく知り合った舞と凪子と仲良くしているのを見て、わりとわかりやすく嫉妬していたんですよね。
結衣としては、着物を通じて自分らしさを見つけかけた、その矢先に……という展開で、読んでいてちょっと胸が痛かったです。続きが気になりすぎて、3巻をすぐ開きました。
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3巻——モヤモヤと、それからの晴れやかさ
正直に言うと、3巻の前半から中盤にかけて、瑞穂の煮え切らない態度にはかなりモヤモヤしました。
結衣が真摯に向き合おうとしているのに、瑞穂はなかなか自分の気持ちと向き合えない。「自分が傷つきたくないから逃げている」ということは、読んでいて割と見えるんです。瑞穂の気持ちが分からないわけじゃないけど……結衣に対してフェアじゃないよなあ、とは思いました。
それでも、瑞穂が前に踏み出すきっかけになるのが、彼女の職場の店長の言葉だったり、アンティークマーケットで偶然出会った凪子とのやり取りだったりして。そのふたりの”後押し”がとても自然な流れで描かれていて、良かったです。
アンティークマーケットで偶然居合わせた結衣に気づいた瑞穂が、ついに自分の気持ちを話す場面。終盤までハラハラしたぶん、ここはぐっときました。
最後に、結衣と瑞穂、そして舞と凪子の4人が着物好きとして自然に仲良くなっているシーンで締められるのも、とてもほっこりしてよかったです🌸
結衣の変化が、この物語の核心
この作品は、結衣と瑞穂の恋の行方を楽しむ作品でもあるんですが、全3巻を通じて一番印象に残ったのは「結衣自身の変化」でした。
「幼く見られたくない」という気持ちから、自分の見せ方ばかりを気にしていた結衣が、着物と瑞穂との出会いを経て、自分が好きなものを素直に好きと言えるようになっていく。
それってすごくシンプルなことのようで、実は多くの人にとって難しいことでもあるよなと思って。読み終えてから、少し自分自身を振り返りたくなりました。
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おわりに
全3巻でまとまっているので、週末に一気読みするのにもちょうどいい作品です。ぜひ手に取ってみてください📚

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