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『クロエマ』1〜4巻レビュー|シスターフッドな女性バディものを百合として読む

レビュー

⚠️ この記事は『作品名』のネタバレを含みます

はじめに

海野つなみ先生の新作が、Amazonプライムビデオでドラマ化。

『逃げるは恥だが役に立つ』などで知られる海野つなみ先生の作品ということで、気になっていた方も多いんじゃないでしょうか。私もそのひとりで、原作マンガを1〜4巻まで読み進めてきました。

ドラマは2026年6月12日(金)よりPrime Video配信開始。キャストは杉咲花さんがエマ役、多部未華子さんがクロエ役という豪華な顔ぶれです。配信前に原作の魅力を整理しておきたくて、この記事を書くことにしました。

そして少しだけ予告すると……この作品、いわゆる百合マンガではないんですけど、百合好きの私にとっては、とても刺さる作品なんです。その理由も最後にお話しします。

『クロエマ』ってどんな作品?

作品情報
・タイトル:クロエマ
・著者:海野つなみ
・連載:Kiss(講談社)
・既刊:4巻

ひとことで言うなら、占い×日常ミステリー×女性バディもの

恋も家も職も失い、人生詰んだ状態の江間宵(エマ)が、ひとりで豪邸に住む謎めいた女性・黒江神名(クロエ)と出会うところから物語は始まります。

「一晩だけ泊めてあげる」のはずが、ひょんなきっかけから期間限定の共同生活へ。クロエが始めた占いのお店を舞台に、訪れる客たちが持ち込む事件や謎に、ふたりで向き合っていく——そんな連作短編形式の作品です。

登場人物の名前がクロエ、エマ、シモンと海外風なのがおしゃれ。エピソードのタイトルがパフェの名前になっているのも、この作品らしいセンスだなと思います。

1巻:出会いと、噛み合わない二人

クロエマ 1巻 表紙画像 - 海野つなみ
クロエマ(1)海野つなみ / 楽天Kobo提供

境遇も価値観もまるで違うクロエとエマ。片やひとりで豪邸に住む謎の女性、片や行き場を失ったばかりの女性。最初の印象は「この二人、上手くやっていけるの?」なんですが、意外と噛み合っているんですよね。

占いのお店に訪れる客が巻き起こす事件を、クロエとエマが解決したりしなかったり——ときにはこじらせたりしながら(四角関係のエピソードは笑いました)、物語はライトなテンポで進んでいきます。

重くなりすぎず、でも人間観察の鋭さがある。海野つなみ先生らしいバランス感覚を感じた一冊です。

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2巻:距離感の妙と、忍び寄る影

クロエマ(2)海野つなみ 表紙画像
クロエマ(2)/ 海野つなみ

1巻で生まれた関係性が、2巻でじわじわと深まっていきます。

クロエとエマは友達でも同居人でもない、なんとも言えない距離感にある。もどかしいようでいて、でもその距離感こそがこの作品の味なんだとだんだん気づいてきます。

そしてこの巻から、謎の占い師・寧山新月という人物の名前が出てきます。エマのことを知っていそうな様子なのですが、その正体はまだ明かされない。ちょいちょい見せるエマの「勘の良さ」も気になりつつ、続きが気になる引きの上手さに唸りました。

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3巻:ライトタッチの中にある深み

クロエマ(3)海野つなみ 表紙画像
クロエマ(3)著者:海野つなみ / 発売日:2025年2月13日 / 価格:792円

3巻を読んで改めて感じたのは、この作品の描き方の巧みさです。

現代社会の日常に潜む謎や闇みたいなものを、エマとクロエというフィルターを通して覗き込む構造。深刻になりすぎず、でも表面だけでもない。ライトタッチなのに読み応えがある。

エマと寧山の関係性は引き続き謎のまま。この伏線、どう回収されるんだろうという期待感を持ったまま4巻へ。

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4巻:日常が、急転する

クロエマ(4)海野つなみ 表紙画像
クロエマ(4)/ 海野つなみ

> ※以下、4巻の展開に軽く触れています。詳細なネタバレは避けていますが、気になる方はご注意ください。

4巻では、エマの思わぬ過去が明らかになります。ずっと謎だった部分が一気に動く展開で、「続くかと思っていた日常」が急転していく——その緊張感が読ませます。

そして今巻のクロエのある一言が、エマとクロエの関係の核心を突いていて。さらっと言ってしまうクロエが、ちょっと切なくもあります。続きがどうなるのか、とても気になっています。

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百合好きの私が、この作品を推す理由

さて、最初に予告していた話をさせてください。

『クロエマ』はいわゆる百合マンガではありません。恋愛感情が描かれているわけでもない。でも私は、この作品を百合として読んでいます。

なぜかというと、クロエとエマの関係性が、まさにシスターフッド的な女性バディものとして成立しているから。

境遇も価値観も噛み合わないふたりが、同じ屋根の下で、同じ謎に向き合い続ける。恋愛でも友情でもない、でもたしかに特別な関係性。それが4巻かけて、じわじわと育まれている。

「女性同士の関係性が作品を動かしているか」という軸で読んだとき、『クロエマ』はまぎれもなくその一作だと思うんです。百合的な文脈で語られることは少ない作品かもしれないけれど、百合好きの感性でこそ、この作品の味わいはちゃんと受け取れると私は思っています。

ドラマを機に手に取る人が増えそうだから、その前にぜひ原作を——と声を大にして言いたい🌸

おわりに:ドラマの前に、原作を

杉咲花さんと多部未華子さんというキャスト、発表を見たときに「確かに」と思いました。ドラマ向きの作品だとずっと感じていたので、映像化がとても楽しみです。

でも原作マンガでしか味わえないものも、絶対あると思う。エピソードのテンポ感、クロエとエマの視線の交わり方、パフェの名前がついた章タイトルのセンス——そういう細部の積み重ねが、この作品の魅力の大事な部分だから。

配信前のこのタイミングに、ぜひ1巻から手に取ってみてください。

クロエとエマのことが気になって、続きが読みたくなること、保証します📚

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