⚠️ この記事はネタバレを含みます。
はじめに
こんにちは、琳花です🌸
本日発売の『贋作の第十番』1巻を、発売日に早速読んでしまいました。クラシック音楽とミステリー、そして百合の要素が絡み合う作品ということで、かなり気になっていたんです。読了後の感想は……とても面白かった。これは続きが気になる作品です。
「ベートーヴェンの交響曲第十番」——存在しなかったはずの、その幻の楽譜を巡る物語。
『贋作の第十番』は、23年前に贋作と判定された直筆楽譜の再鑑定をきっかけに、音楽学芸員の美夜子と天才指揮者・玲音の運命が動き出す作品です。冒頭から、再鑑定をめぐる学術的な緊張感と、マスコミや世間の喧騒が入り混じる雰囲気があって、一気に引き込まれました。
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「本物」とは何か。「贋作」とは何か。その境界線を揺さぶるような、知的で背筋の凍るような読み応えがあります。
あらすじ
物語の中心となるのは、世紀の未完成楽曲と呼ばれる「ベートーヴェン交響曲第十番」の直筆楽譜。
その楽譜を発見したのは、音楽学芸員として働く美夜子の母親でした。しかし、23年前に贋作と判定され、世間から忘れ去られていたのです。所有者の死をきっかけに、再鑑定の依頼が美夜子に届くことになります。
一方、天才指揮者として知られる玲音は、日系の血を引く野心家。己の野望のため、「真正」の第十番を求めており、美夜子の母親が発見した楽譜を知っていました。そして玲音は、美夜子に「贋作とされている第十番を、私と一緒に本物にしよう」と持ちかけるのです。
美夜子は困惑し、拒否します。しかし玲音は時間がないあまり、美夜子が書いたスコアを持ち出してマスコミに「第十番楽譜は本物だ」と発表してしまい——。
魅力ポイント
本物と偽物の境界線が揺らぐ緊張感
この作品の一番の魅力は、やはり「真正性をどう証明するか」というミステリー要素だと思います。
オリジナルの楽譜はすでに失われてしまっている。それでも「本物」だと証明する術があるのか。そこで登場するのが、2つの写譜が同時に寸分違わず演奏できれば、オリジナルと同等の真正性を持つとされるという音楽的な知見です。
「オリジナルがなくても、写譜が本物とされることはある」——この発想が、音楽という世界ならではのロマンと緊張を生み出しています。玲音の大胆な発表が、吉と出るのか凶と出るのか。読んでいてハラハラしっぱなしでした。
美夜子と玲音、対照的な二人の関係性
美夜子は慎重で、母親の遺した楽譜に真摯に向き合う女性。一方、玲音は野心のためなら他人を巻き込むことも厭わない、強い意志の持ち主です。
今のところ、二人の関係性は「百合」というよりは、女性同士のバディもの、あるいはシスターフッドのような印象。ですが、美夜子が玲音の無謀な行動に翻弄されながらも、彼女の才能や情熱に触れていく様子に、これから何かが動き出しそうな予感があります。
二人が一緒に第十番の楽譜を完成させる姿は、もう少し先の展開がとても楽しみです。
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音楽史に根ざした知的な世界観
学芸員という視点から、楽譜の鑑定や音楽史の知識が織り込まれているのも魅力的です。美夜子の母親が意図的に残したと思われる違和感——ト音記号の書き方の違いなど——が、謎を深める鍵になっていて、ちょっとした違和感が大きな真実に繋がっていく感じが、ミステリー好きにはたまりません。
個人的な感想
読み終えて、まず感じたのは「この先が絶対に気になる」ということでした。
玲音が記者会見で第十番の存在を発表したことで、物語は大きく動き出します。国芸大——国立の音楽大学——も動き出し、再鑑定はどうなるのか。そして何より、オリジナルの楽譜がない状況で、美夜子と玲音は本物を証明できるのか。
美夜子の母親が、なぜわざと間違えたように書いたのか。美夜子に教えたト音記号の書き方が、楽譜に残されていたことの意味は何なのか。謎が謎を呼んで、どんどん深みに引きずり込まれていきます。
クラシック音楽×ミステリー×百合——というジャンルは、なかなか珍しい組み合わせだと思います。ミステリー要素×百合×バディものという同じ方向性の作品なら、こちらもどうぞ👇
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今はまだ女性バディものの側面が強いですが、今後美夜子と玲音の関係性がロマンスに発展していく可能性も、そわそわしながら見守りたいです。
おわりに
『贋作の第十番』1巻は、本物と偽物の境界を揺さぶる知的なミステリーと、女性同士の関係性が魅力の作品です。クラシック音楽の世界に足を踏み入れながら、一緒に謎を解いていくような読書体験ができます。
こんな人におすすめです
- クラシック音楽や楽譜の世界に興味がある
- ミステリー要素の強い作品が好き
- 女性同士の知的なバディもの、シスターフッドものが好き
- これからの関係性の変化を見守りたい
皆さんは、ベートーヴェンの第十番が実在したら、本物だと信じたいですか? それとも、贋作だと疑いますか? 感想や予想があれば、ぜひ聞かせてくださいね🎼📚

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